5月危機は乗り切れたのか
平成21年6月1日

5月危機は乗り切れたのか

 5月危機がささやかれていた5月を過ぎ6月を迎えました。景気の下げ止まりを政府が発表するようになり、景気の悪化が一段落したような印象を受けます。

 

悪化し続ける雇用情勢

 しかし、政府の発表を注意深くみると、景気が良くなったわけではありません。景気が悪くなる程度が小さくなったというにすぎませんから、景気はあいかわらず悪くなっているのです。

 その証拠に、失業者は増え続けています。4月末の失業率も5.0%に達していますので、失業者をこれ以上出さないという肝腎なことがなおざりにされているのではないでしょうか。

 政府の当面の経済対策は、第1に失業者をこれ以上出さないこと、第2に企業を倒産させないことであるべきです。

 実態は、その第1の目標からかけ離れていることが問題です。それには、企業が抱えている従業員を解雇せず、抱え続けてもらう以外に方法はありません。そのためには雇用調整助成金制度を拡大することですが、その助成金を今回の補正予算で6000億円確保しているものの雇用保険の積立金の範囲で予算化しているにすぎませんから、助成金を思い切って活用するのに消極的なのです。

 どういうことかというと、企業から助成金の申し込みがあれば対応するというのではなく、政府のほうから助成金の活用を呼びかける姿勢が欲しいのです。現実には外国人労働力への需要は衰えていないというのは、政府が雇用情勢の改善に腰が引けているからでしょう。

 

企業倒産の動きは止まっていない

 第2の企業倒産の動きも止まっているとは思えません。消費が拡大するまでになっていないため値下げの傾向が止まらず企業収入は改善しにくいからです。

 したがって、当面は借金の返済に追われていて経営資金を借りようにも貸してくれることができずに倒産寸前の企業の噂が絶えることがありません。

 

5月危機から6月危機へ?

 補正予算で中小企業対策として金融の量的拡大を図ったといっても資金繰りに困っている企業を現実に救済することができません。5月危機が6月危機にずれ込んでいるのが実情なのではないでしょか。それを防ぐには現状をウオッチして的確に対応することですが、頼れるところをきちんとすることが急務です。



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