温室効果ガス削減を林業見直しのチャンスに
平成21年11月16日

 9月22日、鳩山首相は国連での演説で温室効果ガスを 2020年までに1990年を基準にして25%減らすことを表明しました。さらに11月13日のオバマ大統領と会談後の共同文書で日米は2050年までに80%削減を目指すとした共通目標を明記しました。

 

森林の吸収力重視の日本の目標

 現在の温室効果ガスの削減目標は、 1997年の京都議定書に基づき、日本は1990年を基準にして2012年までに6%を削減する約束です。

 この6%の目標のうち日本は3%程度しか見通しがたちませんでした。それでは京都会議の主催国が国連の枠組みから外れることになります。

 そこで森林吸収分として算出された0.6%に「森林経営」分を日本だけに認めて森林吸収分を合計3.8%として日本の削減目標を6%にしたといわれています。

 

日本の実績は削減どころか増加

 このように日本の削減目標値6%は、京都会議参加国の配慮のもとに設定された苦心の数値です。そこで日本は 2012年までに削減を約束した6%を達成しなければなりませんが、現実には削減どころか2007年には逆に9%も増えてしまいました。

 したがって、 2020年の削減目標数値25%は、日本の場合(25−6)%ではなく、現在の状況から(25+9)%という大きな削減を目標にしなければなりません。

 

温室効果ガス削減の日本の役割

 だからといって、国連における鳩山首相の25%削減表明は日本の現状をわきまえずに行ったのではありません。温室効果ガス削減をめぐる先進国と発展途上国との間の対立に、日本がかけ橋になって国連気候変動枠組み条約の合意を取り付けたいとの表明でした。

 12月にコペンハーゲンで予定されている第15回条約締約国会議では発展途上国側から先進国に対する激しい要求が予想され、日本もそれなりの覚悟が必要です。

 

林業見直しのチャンスに

 何はともあれ、日本は思い切った削減に向かわなければなりません。それには、森林での吸収には限界があるなどといわず、さらに森林での吸収を高めるために林業を見直すチャンスと考えるべきではないでしょうか。奈良県は林業王国でした。しかし、現在はさっぱりです。林業を復活させることが県の将来を約束する機会を逃さないようにすべきです。



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