この春は、子どもへの虐待をめぐる事件が次から次へと報道されました。4月から子ども手当の支給が始まり、高校教育の無償化も実現するというのに、どうしたことでしょうか。
子ども手当 や高校無償化の先進国であるイギリスの事情を伝える本が最近出版されましたので、紹介します。「ユニオンジャックの政治パワー」と題する本で、著者は河合宏一氏。昨年春まで在英日本国大使館の一等書記官を勤めていた人です。
それによれば、イギリスが子どもを大切にする様子が中途半端ではないことに気がつきます。
イギリスでは小学校卒業するまで親は子どもを放置してはならない決まりになっていて、それに反すると処罰の対象になる。
親は必ず子どもの学校の送り迎えをしなければならず、子どもだけを家に残してスーパーに買い物に行くことは許されない。
いったん子どもが生まれると親は以後12年間、子どもから離れるのを許されなくなる。
ただ、日本と違うのはベビーシッター(子守)が一般化していて、育児に他人の手を借りることに抵抗が少ないことと、育児の負担は父親も共有していることである。
イギリスは経済的にも両親共働きが当たり前で、父親も育児・家事を受け持つ。それを支えるのはワークシェアリングと短時間勤務で、育児・家事に合わせて勤務時間を設定するしくみができていることである。
子ども手当はどうかというと、児童手当と児童税額控除(給付付き税額控除)の2本立て。
児童手当は、親の所得制限はなく、子ども2人の家庭で年間27万円。
児童税額控除は、子ども 2人の家庭であれば年額80万円になり、納税額を上回れば、その分を給付される。
2008年の日本の特殊出生率は1.37に対し、イギリスは1970年代に激減した状況から持ち直して2008年には1.97に回復。イギリスは少子化の危機を脱した。
子どもへの本格的な財政支援は鳩山内閣によってようやく始まろうとしています。日本も社会全体で子どもを大切にするイギリスを見習ったらどうでしょうか。 |