消費税率の引上げで何がどうなるのか
VOL.92 (2012/2/1)
 

 今年の通常国会の最大の課題は消費税率の引上げ。民主党は2009年の選挙で任期中は消費税を増税しないと公約していたのだから直ちに衆議院を解散して国民に信を問うべきだと野党は言っています。

 

消費税法案と衆議院総選挙

 しかし、消費税をめぐる歴史をみれば、税率引上げ法案を成立させたうえで選挙を行うのが常道のようです。

 消費税導入までの歴史は長く、ようやく竹下内閣になって消費税法案が成立したのは1988年12月。それを受けて衆議院総選挙が行われたのは、翌々年の1990年2月でした。

 消費税率を2%引き上げの議論が始まったのは1993年秋。改正法案が成立したのは1994年12月であり、実施されたのは1997年4月です。衆議院総選挙は、法案の成立と実施時期の中間で行われました。

 このように消費税の創設・税率の引上げのいずれの場合も法案が成立してから衆議院総選挙を行ったのです。

 

基礎年金の国庫負担1/2への財源

 今回の社会保障と税の一体改革は、今後5年かけて消費税率を5%引き
上げて、10%とするものです。

 社会保障の何に使うのかですが、第1に年金です。基礎年金が破たんしないように2004年に国の負担割合を1/3から1/2に引き上げることにしました。それには3兆円必要なのに0.5兆円しか財源措置がされていません。民主党内閣は、残り2.5兆円に毎年、埋蔵金を投入してきましたが、埋蔵金は東日本の復興事業に活用せざるを得ません。そこで、この分に税率引上げ5%のうちの1%を使って年金を安定させることにします。年金ではこのほかに、これまで年金加入対象になっていない短期雇用の人についても加入対象者とします。

 医療・介護の分野の経費も毎年増加しており、この分野の経費に使うのは、これまでと変わりません。

 

消費税の対象歳出範囲の拡大

 さらに、消費税の対象分野を年金・医療・介護の3分野に限定していたのを保育の充実など子育ての分野に広げることも大きな改革です。

 

要するに現行制度の安定のための改革

 このほか、地方団体の社会保障経費への配分として0・54%を確保するとともに、消費税率の引上げにより発生する国の支出増への対応に1%を確保します。要するに、今回の社会保障と税の一体改革の中心は、現行制度を安定させるためということです。


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