盛会だった新党日本奈良県支部 設立記念シンポジウム
第53号

 新党日本奈良県支部設立記念シンポジウムを 2 月 9 日大阪で開催したところ、 900 人もの方に集まっていただいた。

(田中康夫代表の基調講演)

 シンポジウムの基調講演は新党日本代表の田中康夫長野県知事が行った。長野県の実績を踏まえ、財政再建を目指しながら地域の振興をどう進めていくのかをテーマとする熱演であった。

 ・小布施町は3軒の栗菓子屋で全国に名を知られている。街を散策するのにふさわしい遊歩道として栗の木を敷いた道を作った。栗菓子屋さんも経費を負担する小布施町の単独事業だ。これも名所になって年間150万人の観光客が訪れている。

 ・「脱ダム宣言」は自然環境に悪影響を及ぼさないために上流県が配慮する当然の義務だ。ダムは数百億円を掛けて建設する。それはいずれ取り壊さなければならないし、数十億円を掛けて堆積土砂を排除する必要もある。

 ・長野方式の入札制度の改革は自民党も賞賛している。国は93%が指名競争入札。長野県は87%が一般競争入札だ。官製談合の温床と指摘されているのが指名競争入札。一般競争入札は、「地域に根ざす、意欲ある企業に自由に入札参加の機会」を与えようとするものだ。これにより今まで東京の大手ゼネコンの下請けに位置づけられていた地域の中小業者が直接入札に参加でき、地域の振興に役に立つ。

 ・以上のような地域振興策を進めながら、財政再建の方向が見えてきたというのが、田中知事4年間の総括だ。県の長期債務の残高を見ると明らかだ。

知事就任の2000年に
県の長期債務
1兆6401億円
で全国ワースト2
4年後の現在   1兆5854億円
で減少は長野県だけ

 ・田中康夫知事の財政再建の成果は

公共事業を40%、県単独事業を50%カット

職員の給与は国家公務員の給与の93・5にまで下げて、給与水準は全国最下位

県有土地の処分で 23 億円、ガス事業の民営化で 50 億円

に示されるように、かなりのものだ。田中康夫知事に対して批判が強いのも分かる。しかし、 かつて の長野 オリンピック のための大きな借金が残ったからで、悪いのは田中康夫知事ではない。

(パネルディスカッション)

 基調講演に引き続き、読売新聞編集委員の梶原誠一氏を整理進行役にお願いして、参議院議員の荒井広幸氏と滝まことでディスカッションを行った。テーマは「混迷する日本をどう救うか」である。発言の主な部分を要約して掲げておく。

(年金)

年金不安の原因は2つ。

・ 1つには、人口減少のスピードが速く、年金の財政計算をしたとたんに計算の前提になる出生率が下がっていることから、 2050 年には日本の人口が 1 億人を大きく下回る恐れがある。そうなると年金制度そのものがなくなっているのではないかという不安。

? 2つには、日本型の正規常用雇用形態が崩れてきているため年金加入率が大きく下がったまま回復せず、人口よりも加入者数の激減により思ったより早く年金が崩壊するのではないかという不安。

これらの不安に対応するには、スウェーデンのように、年金の掛け金総額と公的資金の現在額を明示し、受給時における予定年金額を表示する年金手帳制度をつくる必要がある。また、流動する雇用形態に対応する年金制度の確立を急がなければならない。年金の改正は決着済み、などといっていては年金が崩壊する。

(新年度の国債 30 兆円)

 新年度の国の予算は、 2 兆円の増税と国債を 30 兆円以下に抑えたデフレ予算だ。注目すべきは、国債償還の 2008 年問題すなわち 1998 年に大量に発行した国債の返済期限がくるため、その財源を心配する声があったのに対して、一挙に 29 兆円を財政融資特別会計から

国債整理特別会計に入れたことだ。

 財政当局が国債を発行するさいには、それなりに償還計画を作っているのが当然だ。したがって、財政健全化の議論をするためには財政当局の作っている資料を公開するのが前提だ。国債総額だけで、財政が大変だというのは意味がない。 

(官製談合)

 防衛施設庁の官製談合が問題になっている。どうして防ぐか。公務員の退職年齢を引き上げ、天下りを抑えることだ。ただ年齢を上げるのではなく、勤務延長の制度をもっと大胆に活用する余地があるのではないか。それと、長野県のように入札を指名競争制度から、一般競争制度に切り替えるべきだ。国の入札はおかしいというのが、地方の声だ。

(ライブドア問題)

 ライブドアの錬金術がおかしいのではないかという声は前から上がっていた。それに押されて法律改正もした。しかし、金融監督庁も証券取引所も報告書を検査できる立場にありながら放置してきた。態勢を強化せよとの声もあるが、実際には難しいのではないか。

 それよりも、証券取引法には、違法行為により得た財産は没収することになっているのをどうするかであろう。法律には没収の基準を定めていないため、裁判官の判断に丸投げしている。これでは、没収の制度が働かず、違法行為に対する抑止力が弱いのではないか。

 判例を調べてみても見つからないのは、問題があるということだ。


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