(パネルディスカッション)
基調講演に引き続き、読売新聞編集委員の梶原誠一氏を整理進行役にお願いして、参議院議員の荒井広幸氏と滝まことでディスカッションを行った。テーマは「混迷する日本をどう救うか」である。発言の主な部分を要約して掲げておく。
(年金)
年金不安の原因は2つ。
・ 1つには、人口減少のスピードが速く、年金の財政計算をしたとたんに計算の前提になる出生率が下がっていることから、 2050 年には日本の人口が 1 億人を大きく下回る恐れがある。そうなると年金制度そのものがなくなっているのではないかという不安。
? 2つには、日本型の正規常用雇用形態が崩れてきているため年金加入率が大きく下がったまま回復せず、人口よりも加入者数の激減により思ったより早く年金が崩壊するのではないかという不安。
これらの不安に対応するには、スウェーデンのように、年金の掛け金総額と公的資金の現在額を明示し、受給時における予定年金額を表示する年金手帳制度をつくる必要がある。また、流動する雇用形態に対応する年金制度の確立を急がなければならない。年金の改正は決着済み、などといっていては年金が崩壊する。
(新年度の国債 30 兆円)
新年度の国の予算は、 2 兆円の増税と国債を 30 兆円以下に抑えたデフレ予算だ。注目すべきは、国債償還の 2008 年問題すなわち 1998 年に大量に発行した国債の返済期限がくるため、その財源を心配する声があったのに対して、一挙に 29 兆円を財政融資特別会計から
国債整理特別会計に入れたことだ。
財政当局が国債を発行するさいには、それなりに償還計画を作っているのが当然だ。したがって、財政健全化の議論をするためには財政当局の作っている資料を公開するのが前提だ。国債総額だけで、財政が大変だというのは意味がない。
(官製談合)
防衛施設庁の官製談合が問題になっている。どうして防ぐか。公務員の退職年齢を引き上げ、天下りを抑えることだ。ただ年齢を上げるのではなく、勤務延長の制度をもっと大胆に活用する余地があるのではないか。それと、長野県のように入札を指名競争制度から、一般競争制度に切り替えるべきだ。国の入札はおかしいというのが、地方の声だ。
(ライブドア問題)
ライブドアの錬金術がおかしいのではないかという声は前から上がっていた。それに押されて法律改正もした。しかし、金融監督庁も証券取引所も報告書を検査できる立場にありながら放置してきた。態勢を強化せよとの声もあるが、実際には難しいのではないか。
それよりも、証券取引法には、違法行為により得た財産は没収することになっているのをどうするかであろう。法律には没収の基準を定めていないため、裁判官の判断に丸投げしている。これでは、没収の制度が働かず、違法行為に対する抑止力が弱いのではないか。
判例を調べてみても見つからないのは、問題があるということだ。 |