3 月 23 日の衆議院憲法特別委員会で国民投票制度について、国民新党・日本・無所属の会を代表して行った基調発言の概要を報告します。
国民投票に反対する2つの意見があるので、この意見を例に基本的な考えを明らかにしておきたい。1つは、自民党は憲法 9 条を含む全文改正を発表しているから国民投票法を制定すべきではないという意見であるが、そのような意見に賛成することはできない。
もともと憲法改正を旗印に自民党が成立したといわれているが、現在の自民党を支持する人たちがこのことを認識しているとは思えないし、自民党が発表した憲法の全文改正案を支持するとは限らないであろう。また、 9 条改正といっても、現在の自衛隊の実態を憲法に位置づけるもの、国連の平和維持軍への参加を認めるもの、さらには集団的自衛権の行使を認めるものまで相当の幅がある。したがって、発表した改正案にこだわることはいかがかと思う。
大事なことは自民党の改正案に対してどういう危険があるのかについて国民の理解を求めることにあるはずだ。そうであればなおさら現在議論している国民投票制度を通じて啓発運動を展開するほうがわかり易いのではないか。
もう1つは、国民の多くは憲法改正を望んでいないので、国民投票法を制定する必要がないとの意見がある。しかしそうであればなおさら、憲法改正をするか、しないか国民に確認すべきではないか。その際に改正する場合はどういう事項を改正するのかについて判断を求め、それにしたがって国会で改正案作りを進めるという 2 段階方式も考えられるのではないか。
いずれにしても国民投票のテーマは、国会で決める問題であって、憲法 9 条に限らないし、現行憲法の条文に拘束されるものではない。例えば、都道府県の制度を道州制に改めることは、憲法改正のテーマとして考えるべき問題だ。
なお、自民党が憲法以外の一般諮問的問題を国民投票法の対象から外すことは筋が通らない。郵政民営化法案について政府与党は国民投票的衆議院選挙を行うと宣言したのであるから、自民党のほうから一般諮問的国民投票制度を提案すべきだ。
このような基本的立場を明らかにした上で、 10 月 6 日に中山委員長がこの委員会で検討すべき事項として示した 8 項目についての考えを明らかにしておきたい。
1. 投票権者の範囲は、公職選挙権の資格範囲とすべきである。民主党からは、 18 歳まで下げること、公民権停止者も対象にすべきとの提案があるが賛成できない。
2. 賛否を問う方式は、一括投票か個別投票かであるが、個別を原則とすべきだ。
3. 周知期間や広報方法であるが、 60 日から 180 日という公明党の提案に賛成する。
手続きは、民主党の提案に従い、国会に国民投票委員会を設け、投票期日、運動期間、賛成・反対の広報資料を作成すべきだ。
4. 国民投票運動の規制は原則として制約なしとする。この場合、公務員や投票管理にたずさわる者は規制するとの考えが大勢であろうが、公職選挙より緩やかにすべきで、規制もいきなり罰則ではなく、サッカーのイエローカード方式によるべきだ。
マスコミも原則として制約なしとすべきだが、このうち新聞は賛成・反対を明確にし、テレビは賛成・反対を公平に取り上げるべきだ。そのために、国民投票委員会のもとに監視委員会を置き、過度に不公平なことには是正勧告をすることを考えるべきだ。
5. 投票用紙への記載は賛成・反対の○・×でいいが、回答なしも有効投票にすることでどうか。
6. 投票結果は、有効投票の過半数で決めることでいい。
7. 国政選挙と国民投票とは同一に実施すべきではない。ただし、地方選挙とは重なる場合があることを考慮しておく必要がある。
8. 選挙訴訟については発言していない。 |