国会だけに任せておけない憲法改正
第59号 (H18/6/3)

 6月1日の衆議院本会議で滝まことは、憲法改正の手続きを定める国民投票制度について与党案と民主党案の提案者に対して納得のいく制度の実現を求めて3点を質問した。

 日本国憲法が改正手続きになぜ国民投票を求めているのかを考えてみよう。米国、オランダ、ドイツではそのような要件はない。国民投票を求めているフランスやイタリアでも国会で3分の2の賛成があれば国民投票は不要。日本は3分の2以上の国会議決に加えて、国民投票を求めているのは珍しい例だ。それは国の基本を国会だけに任せておけないことを表明しているのだ。そうする背景には昭和13年の国家総動員法の成立を契機に翼賛議会が続いた歴史があったからだと思う。

 したがって、国民投票制度を法制化するにあたっては「国会だけに任せておけない」との発想を大切にしなければならない。国会に提出されている与党案も民主党案も、この点の認識が十分でなく、賛成できない重要な部分がある。

 どこかと言えば、第1に、憲法改正の賛成反対動すなわち国民投票運動のために広報協議会を設けるのに異議はないものの、その委員を所属国会議員の数で割り振るとか放送や新聞広告の時間や紙面の大きさの割り振りも所属国会議員の数によることとしている。これでは、国会での賛成反対の勢力関係をそのまま国民投票運動に持ち込むことになり、「国会だけに任せておけない」との趣旨に添うものではない。このことを与党案と民主党案の提案者に質問し見解を求めた。しかし提案者に法律案の内容と離れた答弁を求めることは無理であった。

 第2に、国民投票は憲法改正の手続きであるが、それ以外にも重要な政治課題について諮問的に国民の意見を聞けるようにすべきであろう。昨年の郵政民営化法案が参議院で否決されたのに、小泉首相は郵政民営化賛成か反対かを国会だけに任せておけないということで衆議院を解散した。そうであるならば憲法改正以外にも民主党案のように国民投票を採り入れるべきで、与党の提案者に見解を求めたが、満足すべき答弁はえられなかった。

 最後に、憲法を改正してもあいかわらず憲法の解釈で明文にはない運用がされることを抑える仕掛けが必要であろう。どう考えているのか見解を求めたところ、与党提案者も民主党提案者も国会法の改正法案で予定している憲法審査会でチェックすると答え、さらに民主党提案者は憲法裁判所を設けて歯止めの機能を充実すべきとの見解を示した。いずれにしても国会だけに任せておくことは疑問であり、十分に議論を重ねる必要があると思う。


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