医療・介護・障害者福祉に関し、目まぐるしく制度が変わり、関係者は変更への対応に追われている。問題はこれらの事業を行うことの自由を認めるものの、実際に事業が軌道に乗り出すと財政負担の総量規制を行い、健全な事業経営を妨げる事態を招く恐れがあることだ。そこで3点について当局の考えを質した。
1 10年ほど前から病院の病床を一般病床と療養病床に区分し、さらに療養病床は現在、医療保険適用の医療療養病床と介護保険適用の介護療養病床に区分されている。この区分は保険の適用は異なり、医師や看護士の配置基準も異なるが、検査や手術をしても原則として診療報酬が増えない仕組みになっていることでは共通だ。
今後5年間の計画によると、90万床ある一般病床を半減、13万床ある介護療養病床は4万床を医療療養病床に切り替えたうえ9万床を廃止し、医療療養病床は25万床に4万床が加えられても29万床にならず逆に減少して15万床にするという。ただし介護療養病床は老健施設、ケアハウス、在宅療養支援拠点へ誘導するようだ。しかし減少させる一般病床の45万床と療養病床の14万床を合養病床も経営わせて59万床を活用できるとは思われない。明確な見通しを示すとともに、存続する医療療ができるように診療報酬の裏づけが必要ではないか。このままであれば医療機材の導入が抑えられているのに医療スッタフの人件費だけがかさみ、人件費が6割も占め経営ができない状況だ。地域医療の大切な拠点が消えかねないが、どう考えているのか。この指摘に対し、老健施設の20年までの計画では2万を超える数字があるとの答弁であったので、現在出ている計画は療養病棟からの移行ではないはずだ。療養病棟からの移行を優先して計画すべきことを再度指摘し、現実に合う仕組みを考えることを要望した。
2 制度設計の混乱が多いのも問題で改善が必要ではないか。例えば、
・ 診療報酬改定で紹介患者加算が廃止され、病院と診療所との連携による機能分化、集約化に逆行する。
? 特別養護老人ホームの個室ユニットに係る介護報酬が大幅に引き下げられ、関係団体からの反発により地方団体への協議もなしに地方負担による補助制度を設けている。
この指摘に対し、中央医療制度審議会に現場の専門家に入ってもらうことにしたとの答弁であったので、審議会は専門家の意見を反映させる機関と考えられているのに、そうではなかったとの答弁は驚くべきことだ。現実にどう合わせるかは厚生労働省がしっかりしてもらいたいとの注文をした。
3 全国に6000か所ある小規模作業所を新事業体系に移行させることができるのか。また、応益負担の原則にこだわるあまり作業所の経営ができなくなる恐れがあるのではないか。
? 6日以上自宅に戻ると施設の収入が減る。自立させるため必要と考えてそうすることがあるが、その間も施設は人員を維持しなければならないから経営を圧迫することになる。
? 障害の軽い者は自立させることが必要だ。しかし現在の社会に受け入れ態勢がない
限り授産所で受けざるをえないのに、国が認めなければ授産所の経営を維持できない。
? グループホームも自立精神のためを考えて立ち上げたとたん負担金を求めよという。これにより希望者がしり込みし、これまで実績のある社会福祉法人でさえ経営に影響する事態だ。
これらの指摘に対し、川崎厚生労働大臣からまとめて答弁があり、法案が国会を通過するまでは事務当局が動けないようなことがある。しかし、法案の成立にこだわらず、民主党の小沢党首の指摘のように十分に関係者と協議をしていくことにしたいとの見解が示された。 |