通常国会の異常な閉会
第61号 (H18/6/18)

 小泉内閣の改革の総仕上げとした国会であったが、改革が国民を裏切るものであることを証明する結果になった。建築確認の民間委託は無責任さを明らかにし、年金では徴収率が改善していることを偽装するため滞納者を納付義務者でないことにするなど国が大切な制度を破壊した罪は大きい。これに対して内閣が責任を取らず個人の問題にすり替え、国内の行き詰まりから国民の目をそらし自民党の事情もあるために国会を閉会して小泉首相は外遊するというのは納得できない。

 小泉内閣の総仕上げという触れ込みで国会に出された重要法案は、行政改革推進法案、教育基本法改正案、医療改革法案である。このうち行政改革推進法案と教育基本法改正案は内容がなく、腰くだけになってしまった。ただし、滝 実が求めた指名競争入札の原則廃止に向かって制度を転換しつつあるのは評価したい。

 注目すべきは医療改革法案だ。与党はこれを最重要法案と位置づけ参議院での採決をまって通常国会を閉会とした。この法案は個人負担の増加に関心を集めているが、地方の医療と介護を破壊するという大きな問題がある。滝 実は決算行政監視委員会でこのことを指摘し、柔軟な対応を求めた。今後も継続して監視すべき問題だ。

 この国会の閉会に際し衆議院で異常な事態が起きた。6月16日の本会議で国会閉会中の審査手続の議決に続いて議長は通常国会の閉会を宣言するのが慣例であるのに、それができず、単に本会議の散会を宣言したのに留まった。与党は閉会を急いだものの法務委員会と厚生労働委員会は委員会を終了していないので国会の閉会儀式はできなかったのだ。法務委員会の議題はそれほどのものではないが、厚生労働委員会のほうは重大だ。

厚生労働委員会は何を問題にしているかといえば、社会保険庁の努力により年金の徴収率が上がっているかのように工作していたことが明るみに出た。当初はほんの数県だけとのことであったが今や全国的に行われたことが分かった。それでも社会保険庁は組織的に違法行為を指示していないと言い張っている。しかも手口が悪質だ。年度末の3月分だけ納付を免除してこの結果徴収率が上がったように見せかけ、翌月には元に戻すというものだ。与党が圧倒的に多数を占めていることを利用して、違法なことが露見しても国会が口出しできないようにするという政府与党の姿勢が最後まで貫かれている。これが重要法案が残っているのに国会を延長せずに閉会を急いだ理由だ。


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