地方財政の歳出・歳入一体改革
第62号 (H18/7/3)

6月26日に今後5年間の「歳出・歳入一体改革に向けた取り組み方針」が政府・与党実務者協議会において合意された。このうち地方財政は次の取り組みを行うという。

  ・ 地方歳出については、国家公務員の定員削減と同程度の5.7%の定員純減、地方単独事業を含め投資的経費は現在の水準以下に抑制、一般行政経費は2006年度と同程度の水準とする。

  ・ 地方歳入については、地方交付税の現行法定率を堅持したうえ安定的な財政運営に必要となる地方税、地方交付税等の一般財源の総額を確保する。

  ・ さらに地方歳入については、引き続き国庫補助負担金の廃止・縮小、地方交付税の算定の簡素化、あわせて税源移譲を含めた税源配分の見直しを行う。

  ・ 財政再建法制を適切に見直すなど地方行革の新しい指針を策定する。

 この「歳出・歳入一体改革に向けた取り組み方針」の地方財政部分について地方6団体は、当初の素案に比べ、地方の意見が相当程度反映され地方財政の円滑な運営や地方分権の推進に資するものとなったことは評価できるとしている。

 しかし、そのような評価は自画自賛に過ぎず、勝手読みではないかと思う。その理由は次のとおりだ。

  ・ 一般行政経費は2006年度と同程度の水準というが、地方分権の推進の名目で地方の負担額は増加し、国庫補助負担金は縮小していく。したがって一般行政の水準は変わらなくても負担経費を同程度に抑えられるかどうか詳細な検討もしていない。

  ・ 地方歳出と地方歳入とを一体的に検討するというが、一般財源の総額を確保するとの基本方針は曲者で、国庫補助負担金が縮小するのに一般財源は増えないことを意味している。

 ・ 東京以外は国全体の過疎化が進んでいるのに地方債を重要な財源から外すとともに、借金の残高を思い切って減らす方向を取っていない。

 このように地方分権の推進の名のもとに地方財政はますます追い詰められ、そのために財政再建法制の見直を急ぐという。しかし夕張市の財政再建で苦慮しているように、政府に頼れない現在の再建は自治の安楽死になることを覚悟しなければならない。

 そこで緊急に取り組まなければならないのは、借金の残高を減らすことに全力を挙げること、そのために事業の見直しを従来の利害関係にとらわれずに行うという長野県方式を地方の行政改革の中心にすえることではないかと思う。


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