日本の知恵に自信を持とう
第70号 (H19/1/1)

 

信貴山の張子の猪

  あけましておめでとうございます。今年は平成13年9月11日を境として世界を混沌とさせてきたアメリカの一方的な軍事力による世界戦略に終わりを告げるときです。今こそ「和をもって貴しとなす」という日本の知恵を発揮しなければなりません。「和をもって貴しとなす」の精神は、西暦604年に発布された聖徳太子の17条の憲法の第1条に掲げられ、日本の政治姿勢の根幹を示してきました。聖徳太子が道後温泉の滾々と湧く湯に浸かりながら、全てを包み込む和やかな有様は天寿国そのものだと感動され、その感動から17条の憲法を思い立たれたと伝えられています。

熟成を待つ我が家の八朔(はっさく)

 塩野七生さんは15年を掛けて完成した「ローマ人の物語」でローマが1200年も続いた理由をローマ人の全てを包み込む開放性に求めています。ローマ人は征服した民族が信仰していた神までもローマの神々に加え、属州出身者さえもローマの皇帝に選出しました。日本人が受け継いできた政治風土はローマ人と似ているではありませんか。

 自由民主党が長い間、日本の政治の重責を担ってきたのも同じような原理が働いていました。昭和30年に自由党と民主党が合流して自由民主党が成立しましたが、異なった意見を党の意見に取り込むため党の意思決定機関として総務会を置き、全会一致をもって決定するのを原則としてきました。ところが平成17年の郵政民営化法案については重要法案とされたにも拘わらず全会一致の原則を無視しました。したがって、このときから昭和30年以来の自由民主党は壊れてしまい、政権を担うことが困難な政党への道をたどり始めました。

 アメリカのブッシュ政権は中間選挙で大敗したため軍事力による世界戦略から軍事力に頼らず力の均衡を重視するソフト・バランシングに転換していくとみられています。日本はこうした転換を進めるパートナーとしてアジアやヨーロッパはもちろんアフリカや中近東で日本の「和の知恵」を自信を持って発揮すべきだと思います。

 今年は猪の歳。田畑を荒らす暴れん坊の猪を豊作の神、子孫繁栄の神として祭ってきました。全てを包み込む日本の知恵でしょう。今年が平和を目指す実り多い年でありますように祈ります。


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