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通算17号
平成18年4月25日

 平成 18 年 4 月21日の衆議院の選挙に関する特別委員会で滝 まことは選挙運動が法律でどのように書かれているのかを取り上げた。

選挙運動というのは何も難しい言葉ではない。従って、公務員は選挙運動が制限されているといわれれば、そうだろうと思うだけで何も疑問を感じない。ところが何が制限されている選挙運動かと思って公職選挙法を見てもよく分からない。法律には選挙運動とは何かについて書いていないからだ。また、「個別訪問をすることができない」と選挙法に書かれているが、どういうことが個別訪問に当たるのかは明確ではない。

何故こういうことになっているのかといえば、日本の選挙法に選挙運動の規定が設けられた経緯にあるようだ。大正14年に選挙権から納税要件を取り除くいわゆる普通選挙制度確立のための選挙法の改正を行うことになった。そこで選挙権拡大の先進国イギリスを調べるとイギリスでは19世紀半ばに選挙の腐敗が横行し、これを防止するため1854年に有名な腐敗行為防止法が、さらに1883年にはこれを補足するため「腐敗及び違法行為防止法」が制定されていることが分かったのであろう、この法律をお手本にして日本の選挙法に選挙運動の規定を設けた。

イギリスを先進国としたのはいいが、イギリスは裁判の積み重ねを法律と同等に扱う国なので、法律では詳細な規定を設けずに個別の事例は裁判に委ねる方式を採用している。この結果、選挙運動に関する日本の選挙法の規定は簡明ではあるが個別の事例をどう判断するのか分からないことになってしまい、法律を所管する当局に対し個別の事例について適不適の照会をしても有権解釈が出せない。こういうところは、税法については課税当局の有権解釈を裁判所も尊重しているのと異なっている。

イギリスの法律をお手本にして日本の選挙法に選挙運動の規定を採り入れたのに、イギリスなどヨーロッパでは考えられない規制をしてしまった。それは個別訪問の禁止である。戸別訪問は買収の温床になるからという理由のようだ。買収の恐れがあるならば、その対策を考えればいいだけのことではないか。

イギリスの選挙は個別訪問が中心だ。選挙が始まるということになると市役所では選挙人名簿を無料で候補者に提供する。各選挙陣営ではこの名簿により投票態度を決めかねている選挙人に徹底的にアタックする。それが選挙運動なのだ。ただし個別訪問にはプラッカードを掲げて行かなければならない。これが買収を防ぐ標識になる。各選挙陣営の動きを表示するからだ。日本も80年前の選挙法を徹底的に見直すべきだというのが、衆議院の選挙に関する特別委員会で滝 実が主張した結論だ。

 



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