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通算23号
平成19年2月13日

風力発電の可能性

 平成9年、地球温暖化防止京都会議で採択された。議定書が発効したのは平成17年2月16日。それから2年経つ2月2日、気候変動に関する政府間機構(IPCC)が洪水、暴風雨、海氷融解など世界中で見られる異常気象を、人間活動から発生する二酸化炭素など温室効果ガスによる温暖化と位置づける報告書を発表した。報告書によれば、このまま化石燃料に依存していると、21世紀中に平均温度は最大で6.4度、海水面は59センチ上昇する。また、21世紀後半になると夏の終わりには北極海の海氷はほぼ消滅、猛暑や熱波などの異常気象が増加し、台風も大型するとも予測している。困ったことにいったん増えた二酸化炭素はなかなか減少せず1000年は持続するので、既に起きている異常気象を止める方法はない。異常気象への備えだけが頼りという心細さだ。

 京都議定書に従えば日本は平成2年の数値を基準にして平成20年から平成24年の平均で6%の温室効果ガスを減らすことになっている。しかし既に基準を8%も超えているのでこれを考慮すると14%を減らす必要があるという。日本も京都議定書の目標数値を達成するために取り組んできた。風力発電、太陽光発電、化石燃料からエタノールや水素ガスへの転換、原子力発電の推進などである。しかし日本が先行してきた太陽光発電はドイツにリードされてしまったように、腰砕けになっている。

風力発電では日本は立地条件が良くないと言われているし、エタノールもようやく始まったばかり。しかも石油業界と環境省との間でガソリンとエタノールの混合方式について争いがあるため大阪で廃材からエタノール生産が始まろうとしているのに、そのエタノールの引き取り手がない有様だ。昨年11月安倍首相は、日本でも年間600万リットルの生産を目指すという農林水産大臣の提案を支持したと伝えられているものの混合方式の決着さえしていないのは内閣としての緊張感が欠けている。

ところが、日本で難しいと言われてきた風力発電に関して、新しい技術開発が九州大学工学部で進められている。それは蜂の巣形SCFコンクリート浮体のクラスター群に搭載した10MW級の「超大型風レンズ風車」によって100万KW級の洋上風力発電を行う。この電力で海水を分解して水素を生成したうえ陸上で水素タービン発電をしようという計画だ。

5年後には欧米で大規模水素タービン発電の時代を迎えようとしており、その技術は欧米が優位に立っている。したがって、九州大学で進められている新しい風力発電技術の実用化は日本が取り組むべき急務だ。何が日本の国益に適うのかの判断が要求されている問題だと思う。



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