フランスの選挙を訪ねて(1)街かどウオッチ
フランス大統領選挙の事情を調べにフランスへ行ってきた。5月3日にパリへ。エッフェル塔に近いホテル周辺で見掛けた公設ポスター掲示板は1か所。ポスター掲示板を設置しているとの申し開きをしているに過ぎない。街宣車は認められているものの街頭での演説は認められていないので、街宣車は走っていない。
5月4日、マルセイユでパリからのフランス新幹線を降りて各駅停車の列車でエクサン・プロバンスへ。学生の町と言われていて若い人で賑わっている。しかし、選挙のポスターは目に付かない。エクサン・プロバンスをタクシーで1周してそのままマノスクへ。高速道路を30分ほど走ってマノスクに到着。宿泊予定の民宿の住所が不正確で旧市街の周辺を探し廻る。その間、選挙のポスターはない。
5月5日、旧市街へ。集合予定の市役所にたどり着く。市役所はフランス語でオテル・ド・ヴィユというのをヴィーユと発音したためか、これがタクシー・ドライバーに通じず市内を行ったり来たり。お蔭様で市内を1周。ようやくたどり着いた市役所前の広場にありました。サルコジとロワイヤルの選挙ポスターが。市役所前で案内役を買ってくれたマダム・ミッシェルに対面。
マダム・ミッシェルはサルコジの熱烈な支持者。サルコジが勝ったら翌日に自宅でシャンパン・パーティーを計画していると言っていたのに、実際はサルコジ当選が決まると同時にパーティーを始めたという。決選投票の結果を伝えるル・モンド紙によればマノスクが属しているオート・プロバンス県はサルコジの支持率が50〜53.06%の県に分類されている。こうした支持率の高い県では支持者が勝手に選挙運動をしているのがフランス流なのであろう。マダム・ミッシェルは顔が広く、道で会う人ごとに抱擁を繰り返し、サルコジ支持を確認しているように見える。マダム・ミッシェルの娘婿殿は弁護士でマノスクの市会議員でもあるので、市役所で市長に面会するときには婿殿も同席し、その後も市長に同行してくれた。こうして見ると、市長もサルコジ支持派なのであろう。
5月6日、バスでマルセイユへ向かうはずが日曜はそのバスがないという。やむを得ずタクシーでマルセイユへ。しかし、タクシーのドライバーの言うには、日曜日だから倍の料金を貰わなければという。フランス病とはこういうことだと観念。マルセイユ駅で急行列車の切符を購入してニースへ。列車は途中カンヌにも停車。河瀬直美さんが今回のカンヌ映画祭で審査員特別賞を受賞したところだ。ニースでは山の手にあるシャガール美術館から海岸にあるホテルまで旧市街を通って歩いたが選挙のポスターを見掛けず。夜8時過ぎの現地のテレビではニースの旧市街にサルコジ支持者が繰り出している様子を報道していたが、海岸に面したホテル街は静かであった。
日本ではフランスの大統領選挙で多勢の人が気勢を挙げている様子が放映された。しかし、それは投票が終了してから街に繰り出した人たちの姿であって、選挙中は街の中で選挙運動の形跡は見られなかった。街で候補者の名前を連呼したり、選挙ポスターを競い合うなどという無粋なことを嫌うのがフランスの伝統なのであろう。 |