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通算31号
平成19年9月21日

 フランス大統領官邸はエリゼ宮と呼ばれている。エリゼ宮の歴史は古く、1722年に遡る。エヴリュウズ伯爵がカントリーハウスとして建てたのが始まりという。1753年には、それをルイ15世の愛妾のポンパドゥール侯爵夫人が手に入れ、ポンパドゥール夫人が43歳で亡くなるとルイ15世が相続して特命全権大使が宿泊するカントリーハウスとして使用された。

その後も所有者が転々とし、1805年にはナポレオン1世に譲渡され、ナポレオンが1814年に退位文書に署名したのはここであった。1816年には国王の資産になり、1848年12月12日に国民議会がエリゼ宮をフランス大統領の官邸に指定した。それでも大統領官邸として定着したのは1874年にマック・マオン元帥がエリゼ宮に入って以降だという。
写真左は大統領の執務室、画面右の鏡の前に大統領の机がある。 右は閣議室、画面左の中央が大統領、その向かい側がフィヨン 首相。名札は24あるようだが、大統領と閣僚で17人である。

 エリゼ宮はヨーロッパ文化遺産デーに公開される。今年は9月15・16日であった。この日は2階の大統領執務室も公開されるので徹底している。見学者に配布されるガイドブックは全館が文化遺産であることを誇っている。一番新しい部屋が祝典用の大広間で、1889年にパリの万博に間に合うように作られたのであるから、着工から現在の姿になるまで117年掛かっており、何度も手が加えられていることもガイドブックに出ている。

フランスと比べて日本はどうであろうか。旧の首相官邸を建て替えるという発想が貧弱に思えてくるし、全館隈なく公開するという発想は日本にはないであろう。しかも新しい首相官邸の玄関はあまりにも無粋だし、玄関ホールの広さは無用であろう。建物は使うためにあるという目的から離れてしまっては美しさはない。そういう目で見ると、現在、平城宮跡に200億円もの巨額の費用を掛けて建設されている大極殿に空しさを感じざるを得ない。

サルコジ大統領の官邸の1日が、2007年6月5日を例としてガイドブックに掲載されているので、概略を掲げる。

 8:30 側近との会合

 9:00 アングリッド・ベタンクール一家との会見

10:30 NGO・国際協力会議の代表との会議

12:30 ステファン・ハーパー カナダ首相との会談・続いて昼食

14:45 報道連盟の代表者との会見

16:00 物理化学高等教育機関へ移動し1991年のノーベル物理化学受賞者のピエール・ジレ教授と会見

16:45 グランパレ・ドゥラ・クヴェルテで演説

19:30 フェリペ・サルデロン メキシコ大統領歓迎夕食会



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