EUに関しエストニアはたのEU諸国と異なる対応をしている。EU憲法条約批准のための憲法改正問題では、国会議員、最高裁判所長官、法務大臣等で構成する国会の憲法作業委員会が憲法改正によらずに条約の批准が可能との見解を示し、 2006 年 5 月に批准した。また、ユーロ導入に関しても、EU委員会は憲法改正が必要ではないかとしてきしていたのにエストニア最高裁判所憲法審査部は憲法改正の必要なしとの見解を示し、中央銀行法が改正されるとのことである。
エストニアの国民投票については注目すべき仕組みになっている。一般の法律案や国政の重要問題について国民投票を求めることが出来るが、この国民投票で過半数の賛成が得られないときは、大統領は臨時選挙を公示するというものだ。「民主主義の赤字」ともいうべき国会と国民とのずれを修正するための制度として意味をもっていると思う。
ヨーロッパ諸国が憲法裁判所をもっている中でエストニアは普通裁判所に憲法裁判機能をもたせる唯一の国でもある。ただし、最高裁判所に憲法審査部を設けてはいるが、ここで憲法違反の法律の無効の決定を行うし、ユーロ導入に憲法改正が必要かどうかの見解も示したのである。 |