8月15日の終戦記念日に東京の武道館で行われた内閣主催の全国戦没者追悼式に新党日本の党3役として初めて参列した。追悼式は天皇皇后両陛下のご臨席のもとに昭和27年から行われている。平和条約の発効をうけて昭和27年5月2日に新宿御苑でおこなわれたのが最初。現在の方式になったのは昭和38年から行われ、第1回は日比谷公会堂で、第2回はなんと靖国神社で、第3回から武道館に定着している。参列者は軍人軍属で亡くなられた方のご遺族だけではない。全国各地の空襲や原爆で亡くなられた方のご遺族も参列されている。亡くなられた軍人軍属は230万人、空襲や原爆で亡くなられた方は80万人。80万人もの銃後の国民が犠牲になっているのだ。NHKの正午の時報に合わせて黙とうする会場の様子がテレビで報道されているにもかかわらず、空襲や原爆で亡くなられた方も追悼する式典であることは意外に知られていないようだ。
毎年この時期になると首相の靖国神社参拝をめぐって賛否両論がマスコミを賑わすが、銃後の国民で戦争で亡くなった方のことをマスコミが取り上げないのはどうしたことだろうか。A級戦犯のご遺族に恩給が支給されてきたのに、戦争指導者の無謀な戦争により亡くなられた銃後のご遺族に国は戦時災害保護法による給与金以外に補償らしいことをしていないのは何か変ではないか。
東京葛飾の滝 保清さんは昭和20年3月10日の東京大空襲で亡くなられた方の慰霊施設を国が建立すべきだという運動を続けられている。都議会を通じて国に働きかけてもらおうとしてきたが思うようにいかない。東京選出の国会議員に働きかけても動きが悪い。それでも滝 保清さんは自分が生きている間に実現したいとの思いで議員会館を訪ねている。3月10日の東京大空襲で亡くなられた方は10万人、広島・長崎の原爆で亡くなられた方はそれぞれ15万人。沖縄の戦闘で亡くなられた方は軍人軍属で9万4000人、一般島民で9万4000人。原爆や沖縄戦以外にも多くの一般国民が犠牲になっているのだ。軍人軍属と銃後の国民とは違うといえばそれまでであるが、同じ戦争犠牲者でありながら銃後の国民に対して冷ややかに過ぎるのではなかろうか。
靖国神社で平和を願うのが何が悪いというのが首相の言い分であるならば、銃後の犠牲者のことも考えるべきだ。国はこれまで戦没者ということで広く戦争で亡くなられた方を追悼してきたのだから、戦争犠牲者という観点からの追悼施設を考える時期にきているように思う。なお、千鳥が淵の墓苑でも終戦記念日に慰霊祭が行われているが、こちらは海外での遺骨収集で持ち帰った無名の方のご遺骨が祀られていて、すでに満杯で納骨施設を別に求めなければならないのに靖国問題の混乱のために事務的な手続きを進められない事情にあるようだ。 |