9月26日開会の臨時国会の最重要課題は教育基本法の改正という。4月28日に国会に提出され継続審議になっているものだ。なぜ今、教育基本法を改正する必要があるのか。文部科学省は、子どものモラルや学ぶ意欲の低下、家庭や地域の教育力の低下が指摘されており、若者の雇用問題も深刻化しているからだと説明する。
それでは、教育基本法に盛り込む理念や原則をどう考えているかというと、平成15年3月の中央教育審議会の答申で、
・信頼される学校教育の確立
・学校、家庭、地域社会の連携・協力の推進
・「公」に主体的に参加する意識・態度の涵養
・日本の伝統・文化の尊重、郷土や国を愛する心と国際社会の一員としての意識の涵養
などを掲げている。このうち 4 番目の項目に政党もマスコミも敏感に反応して愛国心をめぐって議論が集中した。しかし、この答申を見ても文部科学省の説明を見ても、なぜ教育基本法を改正する必要があるのか明確ではない。
例えば、教師は昔から信頼される学校教育の確立を目指して教育に携わってきたのだ。奈良市の佐保小学校長をされた辻 貞三先生は昭和63年に出された著書「親と子の風景」の前書きで、「どのように内容が変わろうと現在の教育の課題は『学校と先生に対する信頼と尊厳の回復』と『家庭の教育力の回復活性化』にある」と記しています。先生のほかの著書である「教育その楽しきもの」、「育てる言葉・つぶす言葉」、「自分史 抄『歩いた道の記』」も、子どもを励まし、子どもを育てられる親はどうあるべきかを指導してきた教育の記録であり、これを読むと教育基本法の改正に熱を入れて何が変わるかを考えさせる。
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