人に着目した投資を
VOL.31 (2009/5/15)

 20代から40代前半の若い世代が安定した職をもつ機会がなく低い所得しか得ることができない状況に置かれています。1990年のバブルの崩壊、その後の金融危機など20年間にわたるデフレ経済により学校を卒業して就職するときに安定した職がなかったたに今日までその状況から抜け出せないのです。  

 

労働力の流動化には職業訓練が必要

 不安定な職に釘付けされている原因は、日本の企業社会が新規学卒者を優先して採用する慣習から抜けられないことにあるようです。

 社会の変化に対応して労働力を流動化する仕組みを整えることは必要ですから、人材派遣法ができました。しかし、この法律は人材派遣会社の責任において、いつでも解雇できる低い賃金の労働力を提供する仕組みとして利用されてしまいました。

 したがって、労働力を流動化する仕組みを整えるのであれば、職業能力をアップして、より高い賃金の職に転進できる仕組みを合わせて整えることが必要なのです。

 もちろん、現在も政府の責任で職業訓練が行われていますが、規模を拡大して行う必要があります。

 

「年越し派遣村」のショック

 政府は長年にわたり少子化対策をすすめてきました。それにもかかわらず28年間も子供の数は減り続けているのですから、効果が上がっているとは言えません。その原因は、少子化の背景を個人的な事情にのみ置いてきたからではないでしょうか。

 そのことに思い当たったのは、年末から年始にかけてのテレビで「年越し派遣村」という聞きなれない言葉とその事情を報道する画面です。

 日本の貧困の実態を見せつけられると同時に、 若い世代の多くの人たちが低い所得のために家庭を持てない、家庭を持てても子供を産み育てることができない事情にあるのを知ったからです。

 

若い世代への投資

 どうしたらいいかというと、新規学卒ではなく中途採用でも、より高い収入の職に就けることができるように職業能力をアップするための「人への投資」を政府がすることです。

 このようなことは自己責任の問題として避けていたために日本の社会そのものが崩壊してきたのですから、ただちに政策の転換をすべきではないでしょうか。


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