信頼できる政府の確立が急務
VOL.32 (2009/6/1)

 国民年金への国の負担割合を3分の1から2分の1に引き上げる年金改正法案の審議が始まった衆議院本会議で、舛添厚生労働相は民主党の長妻議員の質問に答えて、「政府は100年安心の年金」などと言ったことはありませんと発言しました。

 

100年安心の年金

 政府は2004年に「100年安心」の年金改革を強調し、あわせて現役世代の賃金水準の50%の年金を約束したのに、厚生労働相の発言は政府がいかに信用できないかを示すものです。

 この発言について「100年安心の年金」というのは政治家がそう言っただけで、当時の審議に参加した年金の専門家はそんなことを言ってはいないなどと解説したり、さらに驚いたことには自民党の幹事長は「100年安心」というのはスローガンにすぎないと弁解しています。

 しかし、当時の政府が「100年安心の年金」と説明していたのですから、こういうことをテレビで恥ずかしげもなく言うこと自体おかしなことではないでしょうか。

 

なぜ政府が信用できないのか

 今なぜ「100年安心の年金」などと政府が言っていないという事態になったのでしょうか。それは「100年安心の年金」には前提条件としている数値があるのに、その数値は計算上の仮定の数値であって、それを実現する積もりがなかったからです。

 例えば、名目賃金総額が年2 .1%、名目 GDPが年2.0%、利回りが年4%超と見込んでいるのに、毎年の予算編成に先立って出される政府の経済見通しは、年金の前提条件として設定されている数値とかけ離れています。ということは、「100年安心の年金」は政府の努力目標にもしていない詐欺的年金であるということです。

 

年金は本当の姿を前提にすべき

 年金は50年、100年先の生活を保障するものですから信頼できる政府でなければ成り立ちません。それには実態を正確に反映した制度を急いで確立する必要があります。

 子供が減り続き、名目賃金総額が減り続くのを止められないのであれば、民主党の公約のように、年金の財源を税方式に切り替えなければ年金は破たんします。それなのに、民主党の公約をバラマキという自民党の批判は年金の実態を隠す積み深い行為と言わざるを得ません。本当の姿を前提にした民主党の対応を考えてください。


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