統治能力のない政府は国家の一大事
VOL.33 (2009/6/14)

 郵政民営化後の不祥事件をみると民間事業というのは収益を上げるためには信じられないことをすることが分かります。日本郵政グループは民間事業に求められる法的規制の枠組みを外れた経営をしてきたのです。

 

オリックスグループは何時から日本郵政と資本提携しているのか

 かんぽの宿はその一例です。巨額の資金を投入しているのに、赤字が出るからとの理由でオリックスグループに二束三文で売却したのは、日本郵政がすでにオリックスグループになっていると考えなければ理解できません。しかし、オリックスグループは日本郵政とは資金的なつながりがないのですから、オリックスグループに二束三文で資産を売却するのは背任行為です。

 かんぽの宿の一括売却は、従業員の雇用を維持することが約束になっているといわれています。これもオリックスグループが日本郵政グループと資本提携関係にあることを前提にしなければ理解できません。なぜならば、

 スウェーデンのように事業を承継する企業に従業員の雇用を法律で義務付けていない日本では資産の売却条件に従業員の雇用を義務付けるには

資本提携などにより約束を保証する仕掛けを必要とするはずだからです。
 

障害者のための割引郵便制度の悪用

 大量のダイレクトメールに障害者用の割引郵便制度を悪用している実態が明らかになりました。郵便事業収入の目標額を達成するためには原価計算上の損を承知で郵便料金を割り引いても目標の収入を確保することがあるかもしれません。「損して得とれ」というのは商売の極意です。しかし、社会全体に通用するわけではありません。それにもかかわらず勘違いしてしまったのが、障害者用の割引郵便制度をダイレクトメール業者に売り込んだ事件です。

 

統治能力のない政府は国家の一大事

 かんぽの宿の売却も障害者用の割引郵便制度の悪用も日本郵政グループ内で行われた違法行為です。これらの違法行為について日本郵政は違法なことを止める能力を欠いていたのですから経営陣は責任をとるのが当然です。

 だからこそ、麻生首相も鳩山総務相も経営陣の退陣を求めて動いてきたのでしょう。それなのに監督を受けるべき日本郵政の経営陣が責任をとらないといって開き直っているのは政府が統治能力を失っている証拠です。

 このような事態が政府与党内部からの力によって起きているのは、政権が国民の審判を受けずに成立しているからで、国家の一大事です。


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