郵政改革見直しの状況
VOL.46 (2010/2/15)

 郵政民営化議論が始まって以来、郵便貯金は100兆円近くも減少しました。貯金者1人あたりの郵便貯金限度額が1000万円に抑えられたことが響いているようです。何のためにこのような制約が持ち込まれたのでしょうか。それは郵便貯金に集るお金を民間銀行に移転するためとしか考えられません。

 

銀行預金には1000万円の限度額なし

 郵政民営化は「官から民へ」をスローガンに行われ、お金の動きはその通りになりました。郵便貯金が100兆円減少した分だけ銀行預金の増加になっています。銀行預金には1000万円限度額の規制がないからです。

 

このままでは郵政事業は破たん

 郵便貯金が縮小し続けた結果、郵政事業全体が成り立たない事態になってきました。郵政事業は、持ち株会社である日本郵政会社をはじめ郵便局会社、郵便事業会社、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の5社で成り立っています。しかし、実際はゆうちょ銀行に依存しています。

 このため、ゆうちょ銀行の収益が落ちると郵政事業全体の経営は赤字になります。今や郵政事業全体が黒字経営を維持できるかどうかの瀬戸際なのです。

 

民主党の政策会議での意見

 そこで、民主党の郵政問題政策会議では、郵便貯金限度額を廃止すべきだとの意見が出されています。そうしなければ郵便貯金総額の減少は止まらないと考えられるからです。

 こうした意見に加えて、持ち株会社を除く会社は一体的に経営できるようにすること、政府の持ち株を 1/3ないし1/2にすることなどの意見が強く出されています。

 

郵政事業に必要な一体的経営

 郵政民営化が始まるまでは、郵便事業、貯金事業、簡易保険事業が一体として運営され、それによって郵政事業は国の財政負担なしに全国どこでもサービスを提供し続けてきたのです。それなのに、郵政民営化によって国の負担なしには郵政事業を維持できない情勢に追い込まれてしまいました。

 

ゆうちょ銀行は国債の引受け手

 しかも、低金利の時代でも国債を大量に引き受けてきました。郵便貯金総額がこれ以上減少しては、低い利回りの国債の引受け手さえもなくなるのです。

 郵便貯金の危機的状況は国債発行の危機です。郵政改革見直しは、こうした危機的状況をどう乗り切るかの問題でもあります。


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