菅首相は6月11日所信表明演説を行い、これにたいして14日に衆議院で、15日に参議院で各党代表質問が行われました。この3日間をつうじて菅首相は3つのことを明らかにしました。
経済活性化のための新成長戦略
第1は、経済、財政、社会保障を一体として立て直すことです。財政により生活のセーフティネットを強くすることが雇用を創出し、これが国民の将来不安を取り去るので消費を拡大して経済成長を促し、これが強い財政としてはね返るというのです。
このような構想による経済活性化のための新成長戦略は、今月中にとりまとめることを明らかにしました。
その基本は、国内総生産GDPを今後10年で1.4倍にし、医療・介護・環境・観光などの成長分野で500万人の新規雇用を生み出すことにあります。
雇用を生み出すための財政
第2は、雇用を生み出すために今年度並みの歳出規模を当面維持し、医療・介護・保育・環境分野に財源を重点配分。ただし、来年度の国債発行額を今年度の44兆円以下にすると表明しました。
これは、デフレから脱却するためにも、今年度なみの歳出規模を維持せざるを得ないということでもあります。
超党派の財政健全化検討会議を
第3は、社会保障を充実していくためには2025年度で14兆円の追加財源が必要との試算があります。消費税率にして14%です。このために菅首相は超党派の財政健全化検討会議を呼びかけました。
もちろん、消費税引き上げの検討を開始したからといって、ただちに消費税を上げられるわけではありません。引き上げ法案が国会で成立しても実施するには準備期間として2〜3年は必要でしょう。
財政健全化の課題
消費税が創設されて22年になります。高齢化社会になると、働き手が減少するのに年金や医療・介護の財政負担が増加するから高齢者にも税負担をしてもらわなければならない。そこで税負担を薄く広く求めるというのが消費税創設の理由でした。
そのため所得税を消費税と同じ額だけ14兆円も減税してきました。消費税の創設で税収入は増えていないのですから、こうしたことも含めて税制をどうするかが検討課題としなければなりません。