前年度対比で10%減の予算要求
VOL.56 (2010/8/1)

 国の省庁で行われている来年度の予算要求作業が最終段階を迎える時期になりました。これに先立ち、要求基準として前年度対比で10%減とすることが閣議決定されています。

 もちろん異議なく決まったわけではありません。今年度の公共事業費を昨年度に対して18%も削減した国土交通大臣は、引き続きの削減は困難であると表明しています。

 また、奈良先端科学技術大学院大学は、5億円しかない研究費の年間予算が丸ごと失われるほどの削減基準だとして困っています。

 前年度対比10%削減などという言葉を久しぶりに聞ききましたので対応にとまどうのも無理もありません。しかし、財政が破たんしていることも考えざるをえません。

 

避けて通れない政策転換の荒療治

 今日の財政破たんを招いた公共事業主体の政策から生活第一の政策へ、さらに国のありかたを地域主権へ変えていくためにも荒療治を避けて通るわけにはいきません。したがって、予算要求作業そのものを変えていくのは当然でもあります。

 

事業仕分けは万能ではない

 昨年11月に補正予算の執行停止を求めるための「事業仕分け」を実施しました。第2回目は今年の5月の連休前後に公益法人について実施し、第3回目は特別会計について10月に実施することになっています。

 しかし、「事業仕分け」は万能ではありません。すでに「事業仕分け」を取り入れている地方公共団体でも、一律何%削減という予算編成方式を併用しているのが実態です。

 

生活第一のための予算みなおし

 ですから、来年度の予算要求基準に10%減を打ち出したのは「事業仕分け」と一体のものとして理解できます。

 問題なのは、生活第一の政策へ転換させるための手段として「事業仕分け」や10%減を重視する必要があるということではないでしょうか。

 

生活第一でよみがえったスウェーデン

 昔、スウェーデンは人口が国外へ流出し続けていました。国全体が過疎の国だったのです。それが80年前から変わりました。医療・介護・教育・子育て、つまり生活第一の政策に財源を集中することによって、現在の国の姿をつくりあげました。生活第一の政策が経済成長を促してきた実例です。


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