補正予算反対に走った野党
VOL.64 (2010/12/1)
 

 11月26日、予算に関する衆議院の優越により、補正予算がようやく成立しました。衆議院では可決されたものの、参議院で補正予算に賛成したのは、与党である民主党・国民新党・新党日本の他は社民党と改革日本だけでしたので、否決されてしまい、憲法の衆議院議決の優越条項により成立したということです。

 

ねじれ国会を前提とした配慮

 参議院選挙後のねじれ国会に対応して、政府与党は、補正予算の編成では野党の意見を考慮する方針で臨み、そのために国会提出時期もずれ込むというほどの忍耐を重ねてきました。それにもかかわらず、自民党・公明党・共産党・みんなの党・国民を守る党が緊急を要する補正予算に反対の立場を変えようとしなかったのは残念です。

 補正予算そのものについての野党からの批判は、提出が遅かったこと、デフレ・円高対策として規模が小さいことに要約されます。

 

補正予算提出に時間がかかる事情

 まず、提出までに時間がかかったのは、財源の基本となる税収見込みを算定するには税収動向を把握しなければならないのと、野党の意見をも考慮しなければならなかったからです。

 

景気対策にも節度が必要

 これまで補正予算といえば必ずといっていいほど国債を財源としてきました。景気をよくするために補正予算を編成するのだから、国債を財源としても後年度で返還すればいいという理由です。もっともらしく聞こえますが、この理由通りにならなかったから国債残高が増え続けてきたことを忘れてはなりません。

 

景気対策に何を期待しているか

 過去における景気対策について経済界は何を評価しているかというと、金融対策ということのようです。今回の補正予算の規模は約5兆円で、新卒若年者の就職支援のほか年末・年度末の資金繰りの支援に約5000億円の予算を確保しています。したがって、経済界の評価とも一致する対策といっていいのではないでしょうか。

 

補正予算の前に危機対応予算を先行

 野党は、補正予算の規模が小さいと批判していました。しかし、当初予算に計上している経済危機対応・地域活性化予備費について9月の閣議決定で 1 兆円の実行をすることを決定し、これにともなう地方負担も措置することにしていますので、今回の補正予算は緊急対策の第2段階ともいえるものです。第3段階は来年度当初予算で用意する方針で、継続的な対応を考えていることを政府は強調しています。


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